同窓会誌  第21号より

東日本大震災を経験して

大河内眞也  (15期生)

15期の大河内眞也と申します。現在は仙台市の東北大学病院呼吸器科内科助教として働いております。 今回は同窓会よりお見舞いのお便りをいただきありがとうございました。私は無事にやっております。

当日は医局にいてたいへんな揺れに見舞われたものの、怪我はしませんでしたし医局員も医局員の家族も全員無事でした。 しかしながら研究室内の冷蔵庫、クリーンベンチを含めた実験器具はほぼすべて転倒、さらに2週間以上の長期停電を余儀なくされ、 細胞・試薬・実験動物などほとんど失いました。東北大学全体では770億円の損害があり、研究機関としての復旧は長期を有するものと思われます。

しかしながら病院の被害は軽微で、入院・外来患者とも被害がなかったことが何より幸いなことでした。 これは病棟・外来とも築2~7年の新しい建物で地震対策がしっかりとなされていたことが大きいと思われました (17階建てなのでエレベーターが動かないうちは大変でしたが・・・)。 当院は優先的にライフラインが確保されたこともあり、翌日から災害のバックアップとして沿岸部の病院で対応できない患者の受け入れに当たったり、 手の空いたものが避難所を巡ったりしておりました。 避難所の方に関しては医者が来た(特に地元の)というだけで皆さん安心されるようで、医師という存在の力を普段と違った視点で経験できたのは貴重な 経験でした。

震災後1カ月半は交通と物流の混乱から、日々の生活も大変でしたが、3カ月たった現在は、 仙台市中心部に限れば平常の流れを取り戻しつつあります。 しかしながら大崎・石巻・気仙沼・相馬などのわれわれの「守備範囲」にある地域の復興には長い時間を要するであろうことが実感されます。

現時点では浜松医科大学同窓会に直接的な援助をお願いする必要は無いと考えておりますが、このようにお声をかけていただいとことだけで、 大変勇気づけられました。今後ともよろしくお願い申し上げます。