第23回 浜松医科大学 同窓会 松門会 学術奨励賞 受賞論文要旨
喘息患者における呼気一酸化窒素濃度と三次元CTで解析した気道構造の関連
Relationship between fraction of exhaled nitric oxide and airway morphology assessed
by three-dimensional CT analysis in asthma
Scientific Reports 7: 10187, 2017
西本幸司 (医学科第29期) 本学第二内科 大学院
要旨
【背景】
喘息は、好酸球性炎症によって引き起こされた気管支内腔の狭窄と壁肥厚という二つの病理学的変化を特徴とする。 このうち、気管支狭窄は肺機能検査で評価可能であるが、気管支壁肥厚の評価は日常診療においては困難である。 近年の画像診断技術の向上により、三次元CTを用いた詳細な肺の構造解析を行い、病的変化を非侵襲的に評価することが可能になった。 呼気一酸化窒素濃(fraction of exhaled nitric oxide : FeNO)は、気道の好酸球性炎症を反映し、 重症度や喘息コントロールの指標として実臨床で広く使用されている。 しかし、FeNOが喘息のどのような気道構造の変化を反映するかについては不明である。
【方法】
喘息患者41名に対し三次元CT解析を行い、3-6次気管支における壁面積(wall area: WA)、 内腔面積(airway intraluminal area: Ai)を測定した。 それぞれ体表面積(BSA)で補正し(WA/BSA、Ai/BSA)、FeNOとの関連を調べた。
【結果】
FeNOは第3-6次気管支のWA/BSAと有意な相関を示した。 相関係数は末梢の気管支に向かうほど強くなり(3次:ρ=0.326、4次:ρ=0.356、5次:ρ=0.496、6次:ρ=0.529)、3次と6次気管支の間では有意差がみられた (Meng-Rosenthal-Rubin test; ρ=0.047)。 また、年齢、罹患期間、吸入ステロイド量、末梢血好酸球%、末梢血 IgE、および Ai/BSA を交絡因子として補正した偏相関分析において、 FeNO は6次気管支の WA/BSA と有意に相関することが示された。(ρ=0.360、ρ=0.034)。 一方、FeNO と Ai/BSA との相関はみられなかった。
【結論】
ReNO は喘息患者の気管支壁肥厚と相関し、気道リモデリングを評価するうえで有用な方法となりうる。